プライド

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 今井美樹について語るとしたら、この曲の背景に不倫略奪愛があるにも拘らず、この曲の凛とした美しさが損なわれない不可思議さだ。それは長年の疑問だった。それがようやく一つの答えにたどり着いたので書き留めておきたいと思う。

 この曲の歌詞は布袋寅泰が書いている。布袋はこの歌詞を書いた当時、山下久美子という妻があり、その中でこの切なる想いが籠った歌詞を書き、この歌詞は今井美樹によって歌われる。テレビや週刊誌を見ないので当時のことはわからないが、相当叩かれたと聞く。彼女がこの曲を歌う時、自分の中の一つの真実を貫いた潔さを感じる。それがこの曲を決定的に美しくしているように思う。

 私自身、20代の時に2年半という時間を共有していた婚約者がいて、別の女性の存在で結婚を前に別れている。その女性は私の友だちだった。だからずっと山下久美子の立場に共感や同情があった。けれど今はこう思うのだ。道徳的な批判も『真実』や『愛』の前には敗者の弁に過ぎないと。

 彼を愛していたかと問われれば、愛はあった。信頼もあった。だから裏切られたという想い。それも一つの真実だ。けれど、両者の間には、誰かが入り込む隙間があったのだろうと思う。当時の私は結婚よりも他に自分の進むべき道があるような気がしていた。実際、あったのだ。裏切られたという傷は長年癒えなかった。けれど別れたことを後悔はしていない。それは今、自分の歩いている道に誇りを持っているから言えるのだ。